妊娠期間中妊婦さんに多くみられる症状
治療に携わった妊婦さん200人の訴える症状をまとめると以下のようなグラフになり、多くの妊婦さんが肩こりを中心に、週数の変化とともに様々な症状に悩まされています。
グラフからもわかるように、ほとんどの妊婦さんが妊娠期間中、肩こりや肩甲骨の疲れ痛み、緊張に悩まされています。これは妊娠期間中の不安定な自律神経の影響、産休に入るまでの仕事の影響なども大きく影響しています。一般的に肩や肩甲骨のこり、痛みは神経系のストレスが大きな原因となり、過緊張状態が続くことで交感神経が優位に働くことで血管の収縮、筋肉のこわばり、鬱滞を引き起こします。妊娠期間中は、ゆったりとした気分で過ごすことが自分のためにも、赤ちゃんのためにも基本なのですが、なかなか多くの妊婦さんにとってそれは楽ではありません。
まして今まで、指圧マッサージなどしっかりとほぐすことで緩和していたコリやストレスなどが、妊娠期間中は断られてしまうケースが非常に多く、また妊娠期間中の妊婦さんを専門としてほぐしてくれる場所がなかったので、非常に辛い状況です。
むくみやこむら返り、脚のだるさ重さといった脚の不調を主訴として治療を受けにくる妊婦さんも多くいます。この様な脚の不調を訴える妊婦さんは妊娠中期、17週を過ぎてから多くみら、循環血液量の増加や子宮の拡張により鼠径リンパ節の圧迫や下肢筋ポンプ作用の低下によるものが原因のひとつであると考えられます。非常に多くの妊婦さんが、一週間に何度も明け方足に少し力を入れただけでふくらはぎをつってしまうと訴えます。またむくみがひどく、場合によっては下肢だけではなく、手もだるくむくみ、しびれるような感覚や、指輪が抜けなくなるようなむくみが出ることもあります。そして、定期検診で助産師さんや医師に相談しても、「妊婦さんだから仕方がない」とされてしまうケースが非常に多いのです。多くの妊婦さんがメディキュットなど加圧タイツで対処したりもしていますが、週が進むにつれそれも履きづらくなってきます。
週が進めば進むほど腰回り、骨盤周りのつらさ、痛み、重さ硬さが増します。特に28週を過ぎてからの妊婦さんの腰、背中の負担は相当大きく、ただ重い、動きが悪い、慢性的に痛いというパターンだけではなく、人によっては急に腰に激痛が出て動けないという妊婦さんもいます。別のコラムで妊婦さんが最も気をつけなければいけない、妊婦さんのぎっくり腰と仙腸関節痛のリスクについては詳しくお話ししますが、体重の増加や筋力低下とともに、妊娠後期は体の疲れとともに非常に難しい段階に入ってきます。