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妊娠期間中なぜむくむのか。循環器の変化のはなし。

2015年09月19日(土)14時14分
カテゴリ:お役立ちコラム むくみ、つり 

妊婦さんはむくみます。これは多くの妊婦さんの指圧マッサージをしていて本当に感じることです。実際に足首、くるぶし、足の甲がパンパンにむくみ、曲げるのも痛いような妊婦さんが何人も来ています。
しかし、全ての妊婦さんがむくむかと言われると、むくむ人、むくまない人の差はかなりあります。指圧マッサージに来る妊婦さんの脚を見ていても、ほぼむくまずに出産を迎える妊婦さんも少なくありません。この違いはなんでしょうか。当初私は、血圧がPointなのではないかと思っていました。一般的に妊婦さんは高血圧になりやすく、高血圧とむくみは大きな関係を持っているからです。高血圧は腎臓のろ過機能を低下させます。腎臓の機能は、体内の不要な老廃物を血液を介しろ過し、尿として体外に排出します。腎臓には網目のような構造をもった糸球体というものがありますが、高血圧が長く続くと、糸球体の血管に圧力がかかるため動脈硬化を起こす可能性があり、ろ過機能を低下させてしまいます。

妊婦さんは妊娠後期にかけ高血圧に傾きやすい

妊婦さんの特徴として、高血圧に傾きやすい傾向があります。これも個人差があり、妊娠以前と変わらない、低血圧が続くという方もいますが、高血圧が強く出る妊婦さんもいます。現代医学でもなぜ妊婦さんが高血圧になりやすいのか、これは分かっていません。妊娠前までは異常がなかったのに、妊娠中に高血圧、蛋白尿、むくみのいずれかが現れる症状を「妊娠中毒症」と呼んでいました。現在は母体と胎児になんらかのトラブルが起こるリスクは、蛋白尿やむくみよりも高血圧が中心であるということがわかってきたため、「妊娠中毒症」という呼び名を廃止し、高血圧をともなうたんぱく尿などの異常(高血圧のみである場合も)を「妊娠高血圧症候群」と呼ぶようになりました。
妊娠高血圧症候群は、胎盤の血管が作られる際になにか異常があった場合発症するという説が有力ですが、まだ詳しい因果関係はわかっていません。妊娠高血圧症候群になりやすい人の傾向としては、もともと高血圧、糖尿病、腎疾患があるなど、肥満、高齢、多胎妊娠などがあげられ、遺伝するものでもあるため、妊婦の母親が妊娠高血圧症候群であった場合も、発症のリスクが高まるともいわれています。
このように妊娠高血圧症候群にはむくみが伴うケースが多いので、高血圧とむくみは関係が深そうですが、高血圧になりやすい妊婦さんばかりがひどいむくみが出るのということでもなく、中には低血圧、貧血の妊婦さんでもひどいむくみが出たりします
妊娠中期から後期にかけてむくみという症状が多くみられ、およそ10週の台の妊婦さんはそれほど大きなむくみが出ていないケースが多いので、何か赤ちゃんが大きくなること、お腹が前に出てくることや循環する血液の変化もむくみと関係があるのかもしれません。

妊娠・出産に伴う心臓や血管の変化

妊娠期間中からだの中では、おなかの中の赤ちゃんを育て出産するため、心臓や血管に大きな変化が起こります。

(1)血液量が増える
妊娠すると、からだを循環する血液量は徐々に増加します。特に血液中の液体成分である血漿(けっしょう)は、妊娠6週目頃から増え始め、20週後半には妊娠前より平均して50%増えると言われています。そしてこの血液量が増えることには3つの利点があります。

①新しくできた血管への血液の供給
妊娠の経過とともに、胎児を育む子宮は大きくなり、必要とする血液量が増え、新たな血管もできてきます。血液量が増えることで、新しくできた血管にも十分に血液が行きわたります。

②心臓への血液(静脈血)の戻りを補う
妊婦さんの腹部にある静脈は、大きくなっていく子宮によって圧迫されやすくなり、足などからの血液が心臓へ戻りにくくなります。(これが妊娠中期から後期にかけむくみやすくなる原因の一つであるとも考えられます)。血液量の増加によって、心臓へ戻る血液の量が減りにくいようになります。

③出産時の出血に対する備え
分娩時には平均で300~500ml(ミリ・リットル)ほど出血します。しかし、血液量が増えることで、このような急激な出血に耐えられるようになっています。

ここで注意が必要なのは、血液量がもとの量に戻るのに、産後数週間かかるということです。分娩時には出血で、一時的に血液量が減少しますが、その後数日間は、子宮が収縮し、子宮にプールされていた血液が心臓に戻ってくるため、再び血液量が増えます。こうして増加した血液量が正常に戻るまでに、出産後、約4~6週間かかるといわれています。

(2)心拍数(脈拍数)の増加
よりたくさんの血液を全身に送り出すために、心拍数(脈拍)も妊娠前に比べ約20%まで増加します。また、妊娠中に脈が速かった反動で、産後には脈がゆっくりになる傾向があります。

(3)血圧は低く
妊娠中に増える女性ホルモンには血管を広げる作用があるため、妊娠初期から中期にかけて血圧は低下します。しかし、妊娠後期には血圧は妊娠前とほぼ同じか、もしくはやや高値となります。妊娠後期、30週を過ぎてから急にむくみが出る方もなかにはいますが、この血圧が後期にかけ高くなることが影響していると考えられます。

(4)血液は固まりやすく
妊娠中は女性ホルモンの影響で、血液を固まらせる物質が増加します。これにより、流産や分娩などの出血時に出血が止まりやすくなる反面、血管内で血液が固まり(血栓)、血管を詰まらせるリスクが高まります。

(5)大動脈も変化
妊娠中は女性ホルモンの影響で、全身に血液を送る太い血管である大動脈の壁がもろくなります。

このように妊娠期間中から産後にかけ、様々な循環器、心臓や血管の変化がみられそれが人によっては「動悸や息切れをしやすくなった」、「むくみが取れなくなった」、「朝特に痺れが出るようになった」といった不調につながるのです。
私が妊婦さんの指圧マッサージ治療をしていて感じるのは、むくむ妊婦さんは基本的には妊娠期間中むくみが出やすく、また痺れ(血行不良が原因と考えられるものだと考えられます)も出やすく、それが長く続くということです。
おそらく体質的なもの、血圧や血液量、静脈の子宮の圧迫、筋肉量、そして習慣的なもの、運動量、食事、仕事、の包括的な理由によりむくみやすくなるため、なかなか簡単にはむくみがとれません。ただ、妊婦さんの声を聞いていて効果があるとみんな言っているのは、着圧ソックス(メディキュット)やオイルマッサージや指圧などで、これらは一時しのぎのものでしかありませんが、妊娠期間中のむくみを軽減し、比較的楽に妊娠期間を経過する助けになります。
妊婦さんはむくみひとつとってもこれだけの変化が影響して起こりやすくなるものであり、妊婦さん自身が妊娠出産産後にかけ、それはお腹の大きさや体重だけではなく、様々な生理変化が起きていること、そしてそれは出産時までではなく産後約1ヶ月ほどかけ回復し元に戻っていくことを念頭に入れ、無理をしないということです。この無理をしないということは非常に重要で、妊婦さんは横になって休んでばかりいると逆にコンディションが整えにくくなるのですが(担当医から切迫の恐れがあり安静にしているように指示される妊婦さんはまた別です)、あくまでも妊娠期間中、出産を挟み産後1ヶ月くらいは自分の体をよく観察し、多くの手を借りサポートを受けながら、回復、安静に努めるということが大切なのです。私も妊婦さんの指圧マッサージ治療に際し、妊婦さんにはいつもこのようなアドバイスをしています。

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