肩こりを解消するセルフケア
1:血行不良性肩こりのセルフケア
血行不良性の肩こりのポイントは、「動かして血行を良くする」です。これに尽きます。首から肩にかけては僧帽筋や広背筋といった大きな筋肉が、肩甲骨についています。この部分を使わなければ血流が滞ってしまうので、一日数回、固まっているなと気付いた時に肩を回してみましょう。肩を回すといっても回し方や回数がわからないといまいちやっている感がなく続きません。
上下バンザイ運動
まず両腕をバンザイをするように大きなモーションで上下で1回、これを10回1セットとして1日に何度か首から肩、背中の筋肉を意識して動かしてあげます。このとき腕をあげるときに息を吸い、腕を下げる時に息を吐く、ここがポイントです。
両腕バタフライ運動
次に胸を開くように左右に両腕を開き、後ろまで腕を開いたら手のひらを戻すように腕を閉じてくるを1回、これを10回1セットとして1日に何度か肩甲骨を引き寄せたり引き離したりするイメージを持ちながら動かしてあげます。肩甲骨と自律神経は非常に密に関係しているため、肩甲骨を動かすことが血行を促すポイントになります。
このような運動をコツコツ続けることで、血行不良性の肩こりはある程度軽減することができます。
2:神経疲労性肩こり、ホルモンバランスの変化に伴う肩こりのセルフケア
神経疲労性の肩こりの特徴は神経疲労をいかに軽減するかです。これが一番難しく、本人はストレスを感じていないと思っていても実際には神経を使いかたが凝っていたなど、自覚がないパターンもあります。またストレスといってもそれは仕事のこと、家庭のこと、将来のこと、環境のこと、出産のこと、心身のこと、など人それぞれ原因が異なり、カウンセリングを受けるほどではないけれど、妊婦さんは誰もが神経疲労を感じやすい傾向にあります。
まず気をつけたいのは、早めに寝ること。神経疲労を軽減する最大のセルフケアは早めの就寝に尽きます。何かよくわからないけれど、疲れを感じたり、肩がこったり、ストレスを感じていたとしたら、妊婦さんはとりあえず何かの引っ掛かりを棚に置いて22時代に寝てみてください。この22時代に寝るというのは、なかなか仕事をしていたり家事をしていると大変だと思いますが、少なくとも23時までに神経系統に休息を与えてあげると、ストレスは自然に抜けやすく症状や状況が改善され多くのことが整ってきます。
整ってくるということが、神経系にとっては非常に重要であるため、整える必要があるのです。
ホルモンバランスの変化に伴う肩こりもまたストレスの影響を大きく受けるため、早めの就寝が非常に効果的です。
また両耳を好きなオイルでお風呂に入る少し前にマッサージする、というのも神経系の疲労を取るのに非常に効果があります。これは 耳という感覚器が、神経のバランスとか変わりを持った器官であるため、この耳をケアすることが神経系ストレスの軽減につながります。疲れていて耳鳴りがする、めまいがするなど、このような症状は神経系の疲労なので、耳をオイルマッサージすると非常に楽になることが多くあります。
3:眼精疲労性肩こりのセルフケア
眼精疲労から生じる肩こりのポイントは目を冷やすです。実は多くの方が眼は温めてケアするものという認識を持っていると思いますが、これは誤解です。眼は冷やしてケアするべき感覚器官なのです。目に蒸しタオルを乗せると気持ちよくて疲れが取れたような気になりますね、あれは顔が気持ちいいだけであって眼はなんらセルフケアになっていません実は。これは知らない方が多いので覚えておいたほうがいいです。眼というのは使いすぎると充血しますね、充血しているという状況は非常に熱を持った状況で、このような時に目を冷やさずに温めると逆に目の負担となり、それが神経の疲労となります。
正しい目のケアの仕方
1:手のひらをよくこすり手を温め、軽く手をカップ状にし瞼そのものに触れず眼の周りを30秒ほど覆い、まず眼の周りの神経疲労を鎮静する。
2:軽く水でパシャパシャ軽く注ぐ
3:固く絞った水タオルなどで1分〜2分眼に当て冷やし休息する
この正しい眼のケアを知っていれば、仕事でディスプレイを眺めていなければいけない妊婦さんや、目が疲れやすく乾く、充血する、眼の奥が痛くなる頭痛がするといった妊婦さんは非常に楽になります。
4:正しく安全に肩こりをほぐす
今までオイルマッサージでは物足りなく、こりをほぐしてもらいたいと訴える妊婦さんもいます。この気持ちもよくわかります。オイルによるリラクゼーションやエステでは、はっきり言って妊婦さんの肩こりはうまく取ることは不十分であり、妊婦さんと適切な圧でしっかりとほぐし治療として緩和してあげることが大切だと思っています。
またたまに、「妊婦さんの肩こりは骨盤の歪みにあった!骨盤矯正をしましょう!」という文章も見かけます。いろいろな考え方があるのだと思いますが、骨盤ビジネスというものもあり、実際に安全にちゃんとほぐして、神経系の疲労の緩和、筋肉の状態の改善を出産産後に向け図っていくことが大切だと、長年妊婦さんを治療してきて感じています。
私のところにいらっしゃる妊婦さんのほとんどが「こんなにしっかりとほぐしてもらえるんだ」という感想を仰ります。妊婦さんごとの体調や筋肉、こりの状態、妊娠週数や体力、体格などにより適切な圧の強さが決まりますが、どのような圧であっても安全にしっかりとほぐし満足のいくコリの解消を促すことができます。
もし妊娠期間中肩こりを我慢している妊婦さんがいたら、是非一度ほぐしに来てもらいたいです。妊婦さんは横向きで大きなベッドに寝てリラックスしながら、安全に簡単にほぐすことができますし、より楽に妊娠期間を過ごす助けになります。